PAST CASES これまでの事例

廃タイヤ由来のゴム粉末をタイヤ充填剤として使用するサーキュラーモデルの実現

エンビプロのグループ企業である東洋ゴムチップでは、大型トラック・バス向けの廃タイヤ(以下廃TBタイヤ)からゴム粉を生産しています。このゴム粉をタイヤ製造時の充填剤として販売することで資源循環性を高め、サーキュラーエコノミーの実現に貢献しています。

クライアントデータ

  • タイヤメーカー、ブレーキ部品メーカー

目 的

  • 廃タイヤの多くは代替燃料として利用されることが通常ですが、使用済み廃タイヤを粉末状に加工することで、ゴム配合材料として利用することができるようになり、コストダウンと資源循環性の向上を同時に実現します。

課 題

  • ゴム粉末の粒度。ゴム粉末の配合率を高めるためにはゴム粉末の粒度をこれまで以上に小さくする必要があります。
  • ゴム粉末の納期と量の管理。ゴム粉末の原料は廃棄となったタイヤのため、発生量が一定ではありません。そのため納期と生産量を安定的に管理するための仕組みの強化が必要です。

効 果

  • タイヤ製造のコストダウンと資源循環性の向上を実現しました。

自動車を走らせるのに不可欠であるタイヤは、使用後に廃掃法が定める「適正処理困難物」となり、その再資源化方法として、マテリアルリサイクル向けのゴムチップやゴム粉末、サーマルリサイクル向けのタイヤチップ・カットタイヤとして利用されるのが主流です。日本自動車タイヤ協会(JATMA)によると、2020年(1~12月)の廃タイヤの発生量は約8,600万本、重量ベースで93万7,000トンとなっており、同年の廃タイヤリサイクル率は97%で、うちサーマルリサイクルと言われる「熱利用」が65%を占めています。  東洋ゴムチップは、廃TBタイヤ由来のゴムチップを年間約7000トン、中間処理業者より購入し、それらに除鉄・粉砕・分級といった処理を行うことで、再度タイヤ製造原料として循環利用できる充填剤向けのゴム粉末を生産しています。また、このゴム粉はブレーキパッドやブレーキシューにも同じ目的で使用することができ、この場合にはブレーキ時の異音(いわゆる”鳴き”)を防ぐ効果も確認されました。

本事例の対象範囲を下図中で赤く囲んでいます。

ゴムのリサイクルプロセス

※「RE100」:東洋ゴムチップは2018年7月 にリサイクル業界で初めてRE100に加盟し、2019年5月1日より、再生可能エネルギー電力(FIT電力含む)のみで稼働する 「RE100工場」になりました。 参考文献: 日本自動車タイヤ協会、「廃タイヤのリサイクル」 https://www.jatma.or.jp/environment_recycle/aboutscraptyres.html

導入事例一覧
Why What How